こんにちは、ハスミ@833__3です。
ただ今、有り難いことに別サイトにて「ニューヨークの息遣い」というテーマのもと、連載記事を書かせていただいてます。湾岸と同じくらい好きなニューヨークで撮影した非日常の写真にまつわる思いを言語化しています。ぜひご笑覧くださいませ。
【絶景写真】きっかけは幼少期に焼き付いた映画。脱サラフォトグラファーが切り取るニューヨークの風景
そんなニューヨーク(ブルックリン)と湾岸エリアって以前からつくづく似ている点が多いと感じています。立地特性やら街の性格やら。
特に豊洲は自分の中では完全に東京のブルックリンです。コートークとニューヨークという響きも含めて・・。
過去にも酷く拙い記事で湾岸とブルックリンの共通点を主張したことがあるんですけど、今回は何かと話題の「豊洲」を引き合いに出して、より解像度を高めて書いてみます。
よく耳にする”ブルックリン”とはNYのイケてるエリア
きっと多くの方が一度は耳にしたことがあるかと思いますが、ニューヨークの「ブルックリン」とはたまに日本の番組でも取り上げられるほど、ニューヨークのおしゃれな街として極めて高く認知されているエリアです。マンハッタンからは橋一つ渡って行ける近さ。
画像出典:beauty news tokyo
あまり行ったことがないのにこんなことを書くのはすごくアレなんですけど、ベーカリー、カフェ、雑貨、ブックストア、ストリートアートなどなど、もう「おしゃれ」を絵に描いたようなスポットがすごく多い印象を受けます。
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そんなブルックリンと豊洲のどこが似ているのか!?
賛否両論あるのは承知の上で、自分が普段感じている豊洲とブルックリンの共通点をつらつらと書いてみます。
・造船所を中心に栄えた工業地帯
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今でこそおしゃれなエリアとして認知されているブルックリンですが、19世紀まではアメリカ東海岸北部の主要工業地帯として栄えていました。その名残が未だに残っていて、最近では至る所にある廃墟倉庫をアンティークや古着のお店として再利用する好事例が増えています。
同様に豊洲も工業地帯として栄えていた過去があり、石川島播磨重工業(現IHI)や東京ガスなどの工場が80年代後半あたりまでガンガン稼働していたんですね。今の整然としたきれいな街並みからはちょっと想像しにくいんですけど。
さらに、奇しくも両方の街に当てはまる「造船所」というキーワード。
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ブルックリンには海軍の軍艦を製造していた「ブルックリン・ネイビー・ヤード」という造船所があり、造船ドッグは今も現存していて見学ができるようになっています。過去には、あのペリー提督も施設長をしていたり、ハワイの真珠湾で日本軍に沈められた戦艦アリゾナもここで造られました。アメリカにとって、とても大きな役割を持っていた造船所といえます。
画像出典:CBRE株式会社
一方の豊洲にも石川島播磨重工業(現IHI)の巨大な造船所がありました。
今ではドッグ跡こそありませんが、その遺構がアーバンドッグららぽーと豊洲の敷地内で垣間見ることができます。
・再開発による人口増加と不動産価格の上昇
双方の街が工業で栄えた時期を経て、再開発に着手することとなりました。
その再開発によってブルックリンも豊洲も人口が増加し、不動産価格が上昇するという同じ変遷を辿っています。
ブルックリンの人口は現時点で260万人を超えていて、全米で3番目に人口が多い街。
一方、豊洲の人口は、平成10年からこの20年の間に人口が6倍以上に増え、これは全国的にも稀有な事例ではないでしょうか。でも、これだけきれいな街で利便性も高いなら住みたくもなりますよ。笑
結果、不動産の価格もビックリするくらい上昇しました。
自分の記憶が正しければ、豊洲に建つパークシティ豊洲という10年前に竣工したタワーマンションの分譲時平均坪単価は200万円前後だったのですが、今では優に300万円を超えています。
とにかく東京の中でもニューヨークの中でも伸びまくってる街が豊洲とブルックリンです。
・「橋」を渡ると経済の中心地
橋を渡って景色が変わるという立地特性も双方に共通しています。
まずは世界経済の中心地(ウォール街)に極めて近いのがブルックリン。
写真の左側のエリアがブルックリンで、有名なブルックリン・ブリッジ(全米最古の吊り橋)を渡るとすぐです。
一方で、日本経済の中心地(大手町・丸の内・日本橋)に近い場所に位置しているのが、豊洲というよりも湾岸エリアそのもの。重要文化財でもあり、夜はきれいなライティングが施される勝鬨橋を渡ってすぐです。
つまり、経済が集積するエリアに極めて至近にあるのが、ブルックリンと豊洲(湾岸)です。「橋」を境にざっくり住宅エリアと商業エリアにも分けられるんですね。その上、それぞれの橋から見える景色がこれまた絵になるんですよ。。
・魅力的で話題性の高いスポットの多さ
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ニューヨークのトレンドの発信地はブルックリンといわれているほど、常に新しいグルメやらブランドなどが世界に向けて発信されています。ネットで検索するとブルックリンの情報は無限に出てくるくらい多種多様なので、ここでは割愛します。
世界で今、最もクールな街はブルックリンに —— 歩いてみた!
一方の豊洲ですが、ここでは豊洲の中でも「新豊洲」というまだ新しいエリアに注目してみます。
この新豊洲、ちょっと前まではほとんど何もない更地のエリアで休日なんかは人もほとんどいなかったんですけど、それがこの5年くらいの間に2000戸近いマンション群や、もうすぐ開業する豊洲市場、その他多種多様なイベント施設が次々とオープンし、常に人で賑わう場所へと激変しました。この新豊洲には他の街にはない新しい試みが様々に取り入れられているので、簡潔にその一端を紹介します。
画像出典:チームラボ
たけしとローラと山ピーのCM出演が記憶に新しい。集団的創造をコンセプトとしたテクノロジスト集団として知られる「チームラボ」が手掛ける超大型デジタルアート空間。豊洲に2020年まで期間限定でオープン。
画像出典:新豊洲Brilliaランニングスタジアム
誰もが走る喜びを実感できる、全天候型60m陸上競技トラックとパラアスリートを支援する義足開発ラボラトリーが併設された、世界で初めてのユニークな施設。館長は元陸上選手の為末大さん。
TBSがプロデュースしたアジア初の没入型エンターテインメント施設。
周囲を取り囲む360度全てに展開されるステージ、その中心に巨大な円形の観客席を配置。巨大なお盆に乗った観客席、それ自身が回転しながら、舞台、映像、音楽、照明、全てが画期的な方法で融合することで、これまでにない感覚を体験させてくれる。
画像出典:三井不動産レジデンシャル
音楽とフットボールによるコミュニケーションの創造をコンセプトとした新しいフットボールパーク。
MIFAとは、“Music Interact Football for All”の略で、ウカスカジー(Mr.Childrenの桜井和寿とラッパーのGAKU-MCの二人からなるユニット)を中心に、音楽とフットボールを通じて様々なコミュニケーションを創造していくプロジェクトとして立ち上げた団体。
タワーマンションの夜景を眺めながらスタイリッシュな非日常空間の中、手ぶらで都会的なおしゃれBBQが楽しめるスポット!
画像出典:Barks
ライブエンタテインメント専用シアター。この施設ができてから新豊洲が顕著に活気付いたと思う。イベント時の若い女子の多さよ!東日本大震災における被災地復興支援活動を継続するため、収益金は東北三県のエンタテインメントを通じた復興支援活動に。『PIT』は、“Power Into Tohoku!”から。
画像出典:SPORT×ART 新豊洲
上記はほんの一部ですが、今後も市場としては最先端の豊洲市場が開業したり、500室を超えるホテルなどが建設されたり、話題に事欠かないエリアであることは間違いありません!
・水辺に面する公園から見える景色
最後はこれ。双方の街には水辺の魅力を活かすように公園が設けられていて、そこからはきれいな夜景を見ることができます。共通点はどちらの公園もとても静かということ。
まずはブルックリンにあるブルックリン・ブリッジ・パークから見るロウアー・マンハッタンの夜景です。
イースト川を挟んでちょうど対面にビル群の煌めきが見えるんですけど、ここ、ホント夢みたいな場所なんです。
対して、豊洲の春海橋公園から見るチューオーク(中央区)の夜景です。
晴海運河を挟んで晴海や勝どきのマンション夜景を見ることができます。
ブルックリン・ブリッジ・パークの絵力にはかなわないものの、今後も巨大なタワーマンションが建設されるので、かなり映える夜景が拝めると断言します!実際は写真で見るよりきれいです。
もし自分に公園の命名権があるのなら春海橋公園ではなく、ハルミブリッジ・パークにしたいくらい。笑
ロケーション的に似ている、というかホントそっくりなので。
ちなみに新豊洲から見たチューオーク※です。(一応使用許可取ってます)
こっちがニューヨークです。
最後に・・・
ブルックリンと豊洲の共通点をまとめると、こんな感じになります!
・過去の土地利用
・再開発によるエリアの価値向上
・経済集積に近い立地特性
・話題性のあるスポットの多様さ
・水辺の公園から見える景色
多少は説得力あると思うんですが、いかがでしょうか!?
豊洲の盛り上がりはまだまだ通過点で、これからもさらに街が活気付くことは間違いないです。
(個人的には「ブルックリンパーラー」というNYテイストのお店が豊洲にもオープンしてくれたら最高なんですけどね笑)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
2018/08/19 at 07:13
仕事上世界の都市を飛び回っています。
その上で東京(日本)について抱く感想は、ウォーターフロントの歴史が異なるなと思います。
日本は気象特性が激しく、ウォーターフロント(川辺や海沿い)は災害の危険に晒されてきました。
そのため海外に比べ、活用、発展が遅くなったのも歴史的に仕方ないのかな、と思います。
現在では治水の発展と、科学の発展によりウォーターフロントの安全性が増し、元から人間の本能が持つ海、自然への親和性から、日本でもようやくウォーターフロントの活用が本格化してきた印象です。
今後日本もウォーターフロントの発展が更に進むことを願います。