「東京に高さ390mのビルが建つ!!!!」
390mですよ!?東京タワーより60mも高い390m!!あべのハルカスより90mも高い390m!!ブルジュ・ハリファの半分以下の390m!!(日本は地盤に限界がある)
日本中の高層ビルおたくが歓喜の雄叫びをあげてから(?)、早いものでもう1年。
といっても世界的に見ると、残念ながら上位20位にも入れない高さなのですが、それはここでは一旦置いときます。
恐らく自分がこの世を去るまでにこの高さを超えるビルが建つことは無いかもしれないということと、7年後の着工に向けての備忘録として残しておきたいと思います。
というわけで、現在縦覧が行われている(仮称)大手町地区D-1街区の環境アセスと現地の現況をお送りします。
場所は東京駅のほぼ真北、永代通り沿いの敷地です。
そのまま皇居方面に向かって西に歩いて行くと、大手町の品格溢れるビルが連続しているエリアになります。
こうして見ると、高さ230mのA棟でさえ周辺では群を抜く高さですが、390mとなるとエンパイアステートビルディングとほぼ同じ高さなので圧倒的です。
最長部は443mですが、屋上部分は381mです。
なぜ、この場所にこの規模のものを建てるのか?というのは事業の目的を一読するとほぼほぼ納得できるかと。
以下、事業の目的です。
“計画地のある東京駅を中心とする周辺エリア(大手町・丸の内・有楽町・神田・日本橋・八重洲・京橋地区等)は高度成長期の都市開発の先駆けとして日本経済発展の中心的役割を担ってきたエリアである。近年このエリアは、複数の大規模な再開発が計画・進展し、広域的に都市機能の更新がなされつつある。
現在の計画地は、高度成長期に国内初の民間による特定街区として整備されたもので、都心を支える下水ポンプ場・変電所・都市計画駐車場・首都高速道路ランプ等の都市インフラ施設が建築物と一体的に整備された複合的な都市開発である。しかし、竣工から50年近く経過し、各施設は更新時期を迎えているが、下水ポンプ場をはじめとした都市インフラ施設と民間建物が合築されているため機能更新が進んでいない。
国家戦略特別区域の区域方針では、目標として、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備することにより、世界から資金・人材・企業等を集める国際ビジネス拠点を形成することが掲げられている。また、本計画地は特定都市再生緊急整備地域の「東京都心・臨海地域(大手町、丸の内、有楽町)」に位置し、地域整備方針では、高次の業務機能とそれを支える高度な支援機能を備えた金融をはじめとする国際的な中枢業務・交流拠点を導入することが掲げられている。また、東京の長期ビジョンでは「世界一の都市・東京」の実現を目指し、都市戦略「世界をリードするグローバル都市の実現」の中で、政策指針として日本の成長を支える国際経済都市の創造が掲げられている。
これらを踏まえ、本計画においては下水ポンプ場や変電所、都市計画駐車場等の広域的な都市基盤施設の更新・再構築と、東京駅・周辺市街地を結ぶ地下歩行者ネットワーとの整備を図るとともに、東京駅と周辺地域を結節するにぎわい・交流の広場空間を整備する。
また、国内外の金融機関の集積をいかした金融拠点や国際金融人材の交流を促進するビジネス拠点機能の整備など、「東京国際金融センター」構想の実現に向けた拠点機能の整備を図るとともに、国際都市東京の魅力を高める都市観光機能の導入を図る。さらに、災害時の復旧活動の拠点となる広場整備や帰宅困難者対策等による防災対応力の強化・分散型エネルギーの導入と水の自立化等による環境負荷低減への取組を行うことにより都市再生に貢献する。”
ざっくり言うと、東京の中枢に世界一の都市に向けての中心的な役割を果たす建物を建てよう!ということですね。
以下、環境影響評価書の抜粋です。
一番お伝えしたいのは、当初三菱地所が公表した完成イメージとは現段階で既に多少の変更があるという点。
当初公表された外観イメージでは、最も高い390mのB棟は外観上、いくつかに分断されたようなイメージでしたが、現時点では上部が窄んだ棒状の建物になっています。
今後も構造上の問題や予算の都合等でイメージの変更は十分にあり得るのかなと。
最も関心があった”景観”の項目には将来の景観の変化が掲載されており、やはり丸の内から見るととてつもない存在感ですね。
常盤橋の手前から見た様子。
”日照”によると冬至の影が西は飯田橋付近まで、東は両国国技館辺りまで届きます。すごい・・
最後に現地の様子を。
ちょうど上記の完成イメージ図と照らし合わせるとなんとなく規模感が想像できます。
常盤橋から見た現地の様子。
この隙間がA棟とB棟の間の広いオープンスペースになり、この地下部分にC棟が建設されます。
そして、解体される前に一度は見ておきたかったのがこちらの”日本ビルヂング”。
このビルが竣工当時、どれほどスゴかったかというのはビル名が語っています。
地下4階・地上14階、延べ床約17万㎡というのは東洋一の規模だったそうな。
驚くべきは地下に東京都の下水ポンプ場があるということ。この再開発によ今後はり独立した施設になります。
ドラマ「半沢直樹」のロケにも使われていましたが、現在は解体のための仮囲いが設置されていました。
50年あまりの歴史に幕。日本のビル建設の礎になったのは間違いないと思われます。
この超大規模な再開発における個人的な最大の焦点は、高層階に設置されるであろう展望台です。笑
平日の大手町、丸の内の煌びやかな夜景を上から見下ろせる場所が出来ると思うと、なかなか寝付けませんzzz
今から11年後を楽しみにしたいと思います。(な、長過ぎる。。。。。。)